As you like2

 

 


 翌日。琴野は『Az you like』へ五時半についた。昨日より更に緊張しながらそのマンションの一室の扉を開ける。

 中には昨日とは違って麗美ではない人がレジの中にいた。

「・・・いらっしゃいませ。」

(うわ、きれいな人・・・。)

 中にいたのは黒い髪を伸ばした見た目にもお姉さんタイプの女性であった。百八十センチに届きそうなくらいの身長で、鋭い目は

切れ長でキリッと少し上を向いている。プロポーションも抜群で、バストは琴野の二回り以上ありそうなのに、ウェストは琴野と同じか

それよりも更に細いくらいである。ローライズのジーンズはたわわなヒップを隠すことは出来ず、それでいて細くて長い脚がその豊かさを

更に強調する。声も女性にしては低かった。だがそれでいてよく響く重低音であった。

(麗美さんが言っていた麗美さん以外の店員さんかな。今日麗美さん来ていないのかな?)

 客は他に三人来ていた。それぞれ店内のさまざまな品物を物色している。だが店員らしき人は目の前のきれいな女性だけである。

「あの、今日の申し込んでおいたんですけど・・・。」

 琴野がその店員に話しかけた。別にこの店に来ているのだから誰に隠し立てする必要もないのだが、一応『生絞りショー』という単語は

伏せておいた。

「はい、でしたらこちらへどうぞ。」

 その店員は昨日と同じ部屋に琴野を案内した。だがその部屋に入ってから、昨日そこから更に入ったのとは反対のドアから琴野をまた

別の部屋に案内する。

 部屋は六畳ぐらいの広さだった。琴野から見て右手の壁がガラスで出来ていて、隣の部屋が丸見えである。隣の部屋も六畳ぐらいの広さで

あった。

「ショーは六時ごろから始まります。出演する女の子が隣の部屋で待機していますから、していただくときには隣の部屋に移動して

頂きます。このガラスはマジック・ミラーになっていまして、あちらからはこちらが見えません。して頂く時は、される子にはこちらの部屋から

見られることで更に興奮させることが出来ます。ですが勿論あちらの部屋からはこちらが見えません。」

 なるほど、見られていることは分かっているのだが、実際見られているところを見ることはできないというわけだ。誰かに見られている。

だがそれが誰なのか何人なのか分からないから更に興奮させることが出来るということなのだろう。生絞りショーに出る子はみなMの気が

あるのかもしれない。

「女の子はまもなく来ると思いますのでここでお待ちください。でも店内を回っていても結構なので、ご自由にしていて下さい。」

「あ、はい、分かりました。」

 店員がその部屋から出て行こうとするとき、琴野は聞こうか聞くまいか悩んでいたが、思い切ってその店員に聞いてみた。

「あの、すいません。」

「はい。」

「あの、麗美さんは今日はいらっしゃらないんですか?」

「東野でしたら今日は丁度生絞りショーが始まるくらいの時間から来ると思います。」

「あ、はい、分かりました、有難う御座います。」

 琴野はお辞儀をして店員に礼を言った。店員は琴野の質問をどう思ったのだろうか。だがそのことは深く詮索せず、琴野は一度さっきの

商品が並んでいる部屋に戻ってさまざまな商品を見て回ることにした。

 店内はとても清潔感に溢れていて、その扱っている商品の割には淫靡な雰囲気は少ない。勿論例えばフタナリ少女のショーツや、ブラジャー、

ブルマーからスクール水着、競泳用の水着やらレオタードと、その商品の使用目的を考えればそれは些細なことなのかもしれないが。

 顔写真つきの商品はやはり少し値段が高めである。年齢も下は小学生から上は三十代までで、女性のタイプも、こんな人がと思うような

おとなしそうな人や清楚な人から、既に写真からフェロモンが溢れてきそうなくらいの女性もいた。

 また店内にはオリジナルビデオを取り扱うスペースもあった。

 内容は勿論殆んどフタナリで、ジャンルはさまざまであった。当然一番多いのが普通の絡みなのだが、その他にはSMや、野外プレーや

フタナリっ子のオナニー、コスプレ、またレイプ物などもある。また琴野が気になったのがパッケージの写真が一応修正は施されているのだが、

そのモザイクというものが殆んど有色透明のセロファンみたいなもので、フタナリや女性のペニスやヴァギナが殆んど丸見えであることだった。

このようなものを販売して警察などから目をつけられないのだろうか。だが琴野はそのことは気にはなったものの、それ以上にその内容が

気になり、帰りに何本か買っていこうと思っていた。

 そしてふとその中の一本に目を留める。内容は普通の絡みのビデオらしいのだが、登場する二人がどちらともフタナリで、サブタイトルに

『ダブルフェラでお互いを責めあう二人』というコピーがつけてある。

 琴野はその名の通りシックスナインでお互いのペニスをフェラチオしている二人のうち、下になっている女性に自分を重ね合わせた。勿論

上になっている女性は麗美である。どちらかといえば麗美にされるほうが大きいのだが、それでも自分でも麗美を少しでも感じさせるように

一生懸命下から麗美のあれを奉仕して・・・。

 そんなことを考えていると、琴野のペニスが急にその存在を主張し始めた。

(・・・いけないいけない、今日は別の子にするんだから・・・。)

 琴野は今すぐにでもトイレに駆け込んで麗美のことを思いながらオナニーしたい衝動に駆られたが、まさかそうする訳にもいかず、その妄想を

無理やり打ち切った。

 チャ・・・。

 琴野が何とか自分の妄想に打ち勝とうとしているとき、後ろの入り口が開いた。ふと見ればセーラー服を着た少女である。その少女はどうやら

客ではないらしく、店員の女性と少しなにやら会話をすると、さっき琴野が案内された部屋に入っていく。自分と同じ『生絞りショー』の客だろうか。

或いはそれとも出演者のほうであろうか。出演者であったとしても琴野がするはずの女性ではなかったし、6時まではまだ少し時間があったので

琴野はもう少し店内を見て回ることにした。何よりこの店内には琴野にとって魅力的なものがあまりにも多くあった。

 そしてまた琴野が一本のビデオに手を伸ばそうとしたときである。

 ガチャ。

 また後ろのドアが開いた。琴野はまたそちらを振り返る。そしてそこには上半身がタンクトップで下が革のミニスカートをはいた麗美が立っていた。

思わず琴野は嬉しさのあまり声をかけたくなったが、他の客もいるし、また店員もいる手前琴野はまだ麗美が琴野に気づく前に目をそらした。

 だが琴野の想いが通じたのか、麗美も琴野に気づき、麗美のほうから声をかけてきた。

「あっ、どうも、いらっしゃってくれたんですね。」

 そう言われれば琴野も声を掛け直すことにためらいは必要ない。

「どうも、昨日は。」

 そういったところで昨日のことを思い出す。琴野はまたすぐに股間が敏感に反応しそうだったからそのことは忘れようとして別の話題を

麗美にふった。

「けっこう商品多いですね。このビデオってオリジナルなんですか?」

「ええ、うちオリジナルのビデオです。出演者からスタッフから販売から全部うちのスタッフで作ってます。あ、でもうちに所属していると言う訳では

無いですけどもね。人をスカウトしたり素人さんに1本だけ出てもらったり。でもそのスカウトとかはうちの人がやっていますけども。」

「確か4人いらっしゃるんでしたよね。」

 琴野は麗美から聞いたことを覚えていた。

「ええ、今日はそのうちあたしを含めて3人来ます。今カウンターにいるのが美郷と言います。あともう一人園部と言うのが来ます。」

「すごいプロポーションいい方ですね。」

 琴野は美郷に聞こえないように少しこっそりと麗美に言った。

「ええ、うちで一番のプロポーションじゃないですかね。」

「それにきりりとしてなんか触れたら触れた手が切れそうな雰囲気です。」

「うふふ、そうですね。本当に見た目は冷静と言うか、もう冷徹と言うくらいクールですよね。でもですね・・・。」

 だが麗美の言葉は他の言葉によって中断を余儀なくされた。ドアが勢いよく開いたと思うと、いきなり甘ったるい声が部屋に響いたのだ。

「遅くなりました〜。ごめんなさい〜。」

 声の主は琴野には中学生かせいぜい高校生くらいにしか見えなかった。それも相当の童顔である。身長もおそらく百五十センチに満たない

であろう。その可愛いルックスもあいまって百五十センチ未満の女の子だけで構成されている『チビモニ』にもオーディションがあれば入れそう

である。

「千佳遅いよ。今日はあたしより早いはずじゃなかったの?」

「うみー、ごめんなさいー。ちょっと寝坊しちゃいました・・・。」

 千佳はしゅんとなる。性格は明るそうではあるが、少し控えめと言うかおとなしそうでもある。

「えっと、今言っていた園部です。本当は今日はもう来ているはずだったんですが・・・。」

 麗美がそう言って千佳をチラッとみると千佳は下をうつむく。

「でもこれで面白いものがお見せできますよ。・・・でも時間が無いか。」

 麗美は左腕にした時計に目をやる。時間はもうすぐ六時。つまり生絞りショーが始まる時間になる。だがその時電話の呼び出し音がなった。

美郷が店の受話器を取る。

「はい、『Az you like』です・・・。・・・・・・ええ、ええ。・・・・・・、で、復旧の見通しは?・・・はい、分かったわ。そう説明しておきます。・・・じゃ気をつけ

て。」

 受話器を置く。

「東野さん、ちょっと・・・。」

 美郷が麗美を呼んだ。

「ごめんなさい。」

 麗美が美郷のところへ行く。その間琴野はまた店内の物色を始めた。少しだけ二人の会話が聞こえてくる。その間千佳はいそいそと

自分の荷物を出して準備し始める。

「・・・ええ、ええ。で、・・・・・・は?・・・・・・うん、うん、分かった。」

 美郷の話が終わったようだ。麗美が店内の客全てに向かって言った。

「お客様、今日のショーの予定ですが、出演者の女の子たちが乗った電車がただいま事故によって止まっているそうです。復旧まで30分

くらいはかかる見通しだそうです。ですので、まことに勝手で申し訳ありませんが開始を6時45分とさせて頂きます。もしご都合が悪い方が

いらしましたらお申し付けください。料金の方と、また当店の割引券を一緒にお返しさせて頂きたいと思います。また電車の復旧の見通しが

30分経っても立たないようでしたらバスで来るそうですが、その場合はもう少し遅れる見込みです。その場合は7時くらいを予定しておりますが、

もう少し遅れるかもしれません。それでもよければ今日のショーにご参加くださいませ。また少しお待ちいただいた後にやはり時間の都合が

つかなくなっても気軽にお申し付けくださいませ。次回のショーの方を優先的にご予約させて頂きます。大変申し訳ありませんが、宜しくお願い

致します。」

 そう言って麗美が頭を下げた。それに合わせて美郷も頭を下げる。千佳も慌ててぺこりと頭を下げた。

 客のうち一人が麗美に声をかけた。

「あの、ショー自体はどのくらいの時間がかかるんでしょうか?」

「お客様のご都合に合わせてお好きなようにしていただいて結構です。早ければ1分でも結構ですし、30分でも1時間でも結構です。」

「あ、そうなんですか・・・。・・・、じゃあ、あの、私少し時間をかけてやりたいんで、でもそれですと今日はちょっと時間が無いのでまた別の日を

予約させて頂いても宜しいですか?」

 麗美はその言葉に申し訳なさそうに頭を何度も下げながら詫びる。

「はい、大変申し訳ありません。次回は来週の火曜日の予定ですので、その日で宜しいですか?」

「はい、来週の6時にお願いしたいんですけど・・・。」

「はい、かしこまりました。来週の出演者はこちらの子になっています。」

 そう言って麗美は写真が貼ってあるノートを見せる。その後いったん今回の分の料金を払い戻し、割引券を渡した後改めて次回の予約を

済ませた。

「じゃ来週お願いします。」

「お待ちしております。申し訳ありませんでした。」

 麗美のミスではないのだが、本当に申し訳なさそうに麗美は何度も頭を下げる。その女性客が店を出て行った。だが後の客は店内を物色

したりしている。今回のキャンセルは後はいないようだ。そのことを確認すると麗美がまた琴野のところへやってきた。

「本当にごめんなさいね。」

「いえ、しょうがないですよ。電車が止まっちゃったんじゃ。」

「うん、まあね。でもせっかく来て頂いたんだからお待たせはしたくないんだけどね。・・・あ、でもこれでさっき言っていた面白いものをお見せ

できるか。千佳。」

 そう言って麗美は千佳を呼んだ。そしてなにやら耳打ちする。

「・・・はい、・・・はい。分かりました。じゃ準備してきます。」

 そう言って千佳は奥の部屋、さっき琴野が一度案内された部屋へ入っていった。そして美郷もその後で部屋に入っていく。

 琴野はまた少し店のビデオやグッズなどの雑談を麗美としていた。その時さっきの部屋の角からひょんと頭だけを出して千佳が麗美を呼んだ。

「準備できましたよ。」

「はいよ。」

 麗美がそう答えると、また店内の客に向かって言った。

「お客様、ショーが始まるまでまだ時間がございますので宜しければ私たちが用意したショーをご覧になってお待ち下さいませ。部屋は先ほどの

部屋になっております。ご興味がございましたら是非ごらんになって宜しければご参加下さいませ。」

 なるほど、この準備をしていたのか。それであの二人が隣の部屋に。確かに美郷なら女王様のボンデージがよく似合いそうである。千佳も

性格的におとなしそうで、Mにはぴったりである。

「よければ見てみませんか?」

 麗美が今度は琴野一人に向けてそう言った。

「あ、じゃあ拝見させて頂きます。」

「ええ、よければうちのを好きなようにしてね。」

「あ、はい。」

 琴野は千佳の裸を想像する。そういえば麗美が『Az you like』の店員は全てフタナリだといっていた。ということは勿論千佳も美郷もそうで、

琴野は千佳が美郷にいろいろ責められる姿を想像しながら他の客と一緒に隣の部屋へ移動した。だが。だが琴野の予想はこれっぽっちも

当たっていなかった。天井から吊り下げられていたのはあのきりりとした表情からは予想も出来ないほど悶えた顔をしている美郷。そして

服を着たままでは分からなかった巨乳を強調させたボンデージを着ているのが千佳であった。

 美郷はグレーで揃えられたスポーツブラと、スポーツタイプのショーツ姿であった。その股間はもう既にやや膨らみかけている。

 琴野がその光景にやや見入っていると、後ろから麗美が声をかけてきた。

「どうですか、驚きました?」

「ええ、SMショーって言うからてっきりSとMが逆かなと思ってました・・・。」

 麗美は微笑んで琴野に返す。

「そうでしょ、どう見ても美郷はバリバリのSタイプなのに、実際は真性のどMなんですよ。本人はSだと思われていたのに、実際はMであると

思われて見られるのがたまらなく興奮するの。見た目からは考えられないくらいのMですよ。」

「で、園部さんはSなんですか?」

 それはほぼ確認であった。

「ええ、千佳もああ見えて真性の超S。とことん人をいじめ抜いて感じるタイプよ。」

 そういう会話をしていると千佳が口を開いた。他の客も既に全員この部屋に入ってその光景に見入っている。

「…また勝手に大きくしているわね。」

 千佳の口調はさっきからは考えられないくらい変わっていた。人差し指の先で美郷の既に大きくなりかけている股間のふくらみをなぞる。

「ああっ…」

「何勝手に感じているのよ。誰が感じていいって言った?」

「…すみません」

「相変わらず沙耶はしつけがなってないわね。そんなことじゃあたしのしつけが悪いって思われちゃうでしょ。」

「…すみません」

 パァン!!

 琴野はその音に驚く。その光景にも驚いたが、その光景がそれだけの音を出したことに一番驚いたのだ。

 千佳が美郷、つまり沙耶の頬を叩いたのだ。

「あうっ…」

 すぐに沙耶の頬が赤くなる。だがそれでも沙耶の股間は小さくならなかった。いやむしろ更に大きくなったように見えた。

 

 

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