天使の宴は堕天使と共に1
Angelic chourus
「…ワン、ツー、ワン、ツー、スリー、フォー…」
ドラムのスティックでリズムを取り、それに合わせて曲が始まる。
今までは静かなバラードだったのが、いきなりアップテンポな曲に変わった。静かに聞いていた聴衆も体を上下にリズムを
取っている。勿論何度もここに来ている人もいるが、初めての聴衆もリズムはピッタリ合っている。
聴衆の殆どは女性であった。
「…この曲にその効果があるのか?」
この会場の一番後ろでたった二人だけ体を動かすこともなく、腕を組んで聞いていた、長身に、鋭角に淵をカットされた
サングラスをしていた女性がもう一人の女性に聞いた。サングラスをしていない女性もサングラスの女性ほどではないが、
こちらも女性にしては背は高い方だった。
「いや、この歌はごく普通の歌だ。…とはいっても美雲ひばりや、今の宇田多ヒカルと同じく、超音波の域までは音が出て
いる。」
「どういうことだ?」
「犬笛は知っているかしら?」
「ああ。」
サングラスの女性が答えた。
「あれは人間には聞こえないけど、犬には聞こえる音域で音を出しているわけよね。だから犬に合図が出来る。美雲ひばりや
宇田多もその犬笛のは違うけれども人間には聞こえない音域の声が出ているわけよ。音をどんどん高くしているとキーンって
いう音が強くなっていくでしょう。それと同時に私たち人間が聞こえる音としては弱くなっていくわよね。でも音は出続けている。
人間には聞こえないレベルで。美雲も宇田多もその音域の音が歌声で出せているの。勿論これは本当に稀な事よ」
「それがあのボーカリストにも出来る、と」
「そういうこと。普通の歌い手としても超一流になれるわ。…最もそうなってしまわれては困るんだけどね。」
女性はふふ、と笑いながら答えた。
「今日は無いんだよな?」
サングラスの女性が聞いた。
「ええ、今日は顔見せだけ。どう、気に入った?」
「ああ、美雲も宇田多も、そしてましてや当然最近の消耗品の音楽も好きじゃないが、珍しく音楽をいいなと思ったよ」
「そう、それはよかったわ。次まで楽しみが出来たでしょ」
「そうだな、楽しみにしておこう」
そう言うとサングラスの女性はスタンドマイクを両手で持って熱唱している少女に人差し指と中指で投げキスをして、隣の
女性とその場を立ち去った。
『Angelic masquerade』は五人の女性からなるグループである。
思春期の少女の甘酸っぱい恋を歌ったかと思えば、世界に向けて力を与えるような歌を歌い上げたり、地球を癒すような
歌を歌ってみせる。
知っている者は多くないが、一度聞けばその歌声と歌詞、メロディーにチャームされてしまうことが殆どだった。
また何故かファンが殆ど女性ということも特徴である。
今日は一ヵ月ぶりのライブであった。とあるビルの地下にあるライブ会場にはおよそ百五十人弱、超満員である。
「・・・それじゃ聞いてください。最後の曲です。『Angelic masquerade』!!」
グループ名と同じ名前の曲が告げられると、会場は更に一段とヒートアップした。このグループの代名詞的存在である
この曲がライブの一番最後に歌われることを皆知っている。そしてアンコールは無しの、一発勝負がこのグループの鉄則で
ある。ライブでこの曲のあとに何かが歌われたということは今まで一度も無かった。
ライブは今夜も大盛況であった。ライブ後、熱狂的なファンの女の子が楽屋まで差し入れを持ってきてくれたり、またサインを
貰いに来た子などが沢山いた。
メンバーは、リーダーがドラムの、ミカ(Micha)、ベースがトロン(tron)、ギターがセラ(Sera)、キーボードがレミ(Remi)、そして
ボーカルがファー(fer)の五人である。
そしてミカとファーが双子であった。容姿はそっくりだが、ミカが黒髪のロングに対して、ファーがやや茶髪のセミロングであった。
別にファンが見分けがつきやすいようにという思慮ではないのだが、ファンは演奏をしているとき意外はそれで見分けをつけて
いることが多かった。
「あ、あの、これ私たちでお弁当作ってきたんです。よろしかったら皆さんで食べてください!!」
そう言って一人の少女が大きめのピクニックなどに持っていくようなバスケットをミカに差し出した。その後ろには三人の少女が
立っていた。どうやら四人でAngelic masqueradeの五人の弁当を作ってきたらしかった。
「ありがと、この後の練習の前に食べさせてもらうね。」
ミカがにっこりと笑って少女たちに礼を言った。
「あ、ありがとうございます!!もしおいしかったらまた作ってきますから!!」
「うん、楽しみにしてるわ。」
「は、はい。」
少女たちは喜色を満面に浮かべて礼を言った。
正直Angelic masqueradeのファンは熱狂的なファンが多く、差し入れの食べ物に自分の髪の毛や爪、中には唾液を入れたり、
果てには愛液を入れて作ったものを五人に差し入れたりしていた。
だが、五人はおそらくそういう子もいるであろうことは予想はしていたが、それでも差し入れは出来るだけ食べるようにしていた。
そして今の所、それでお腹を壊したり、体調を崩したりということは幸いにしてない。
「あの、トロンさんのサイン頂けませんか?」
「ああ、いいよ、はい。」
少女が持っていた色紙を受け取ろうと手を差し出す。
「セラさんってピックは何を使っているんですか?」
「いや、別に決まったのは使ってないよ。気に入ったのを適当に使ってるだけ。安物が殆ど。よかったら何個かあげるよ。この
中から適当に選んで。」
そう言うとバッグから小さな箱を取り出し、開ける。中にはギターのピックが二、三十個は入っていた。
「え、え、いいんですか?そんな、セラさんの貰っちゃって・・・。」
「いいよいいよ。安物だから。好きなの持ってって。」
「え、あ、それじゃ、あの・・・。」
そう言って少女は箱の中のピックをかき回し、自分の気に入ったピックを何とか二つに絞込み、そしてセラに言った。
「あ、じゃあこの二つを・・・。」
「二個だけでいいのかい?」
「ええ、この黒いのがセラさんで、ピンクのがあたし、なんて・・・。」
少女は自分の言葉に顔を赤くして下をうつむく。
「あはは、そっか。ね、じゃあそれ一回貸して。」
「え?」
不思議がる少女からセラはピックを受け取り、バッグからペンケースを取り出して細身の油性のペンでサインをしてから、
ピックを振ってよく乾かし、サインの上からピックにキスをした。
「はい、大事に使ってね。」
そのピックをまた手渡された少女は既に理性を少し失いかけていた。
「あ、はい、あの、えーと、そんな使わないで、大事にしまっておきますけどもでも大事にします、っていうか、すぐ使うというか、
あ、あの、ありがとうございます。」
そう言って少女は深く頭を下げた。
今晩この少女はこのピックに股を開いて自慰をすることになる。
「あの、すみません、できれば一枚に皆さんのサインが欲しいんですけど・・・。」
「あ、はいはい、いいですよ、じゃ、まずあたしから書きますね。」
レミはそう言って二十歳前後と思しき女性から色紙を受け取り、色紙の左上に自分のサインをしようとした。
「あ、すいません、レミさんは真ん中に書いていただけますか?」
「へ、あたしが?」
「え、ええ。あたしにとってはAngelic masuqueradeはレミさんが一番で中心なんです。他の皆さんも大好きなんですけど、私に
とってはレミさんが一番素敵なんです・・・。」
「あは、そうなんだ、ありがとう。じゃ真ん中に書かせてもらうね。・・・でも真ん中なんてあまりある事じゃないから一寸書きにくい
なぁ・・・。」
そう言いながらも、レミは何とかうまくバランスを取って真ん中にサインをしてミカに手渡す。
「はいよ、皆のサインお願いね。」
「ふぁいふぁい、・・・了解了解。」
ミカはさっきファンの子から貰った弁当を先に食べていた。
「あ、次、次はあたしお願いします!!」
ファーは五人の少女の集団と変わりばんこに写真を取っていた。まずはその団体の一人が残りの皆との写真をこれも順番に
取っていたのだが、次はその残りの一人も含めて写真を取りたいという事になり、そこは熱狂的なファン同士、見ず知らずの
別の子が少女たちのカメラで順番に写真を取っていった。
「ありがとうございました。」
最後の子が楽屋から出て行った。
「またライブ見に来てねー。」
ミカが手を振って送り出す。
「さて・・・と、じゃもう少し休んだら練習始めましょう。」
一番先に食事や休憩を終えたミカが残りのメンバーに言う。リーダーとしての自覚が一番大きいのは勿論だが。
Angelic masqueradeはライブ後の練習は必ずやることになっていた。それはライブでの反省もあるし、ライブ後という体力的にも
精神的にも疲れているときにやることで、仮に本番でそういう過酷な状況になったときにも耐えられるようにとグループ結成時から
続けて来た事だ。
ただAngelic masuqueradeに熱狂的なファンがつき始めると、先ほどのようにライブ後に楽屋を訪れてくるファンが増えてきたため、
練習より先にファンのために一度楽屋に戻ってくる。そして全てのファンが帰った後に、改めて練習が始まるのだ。
そしてメンバー全員があらかた軽く休憩を取り、そして準備が整った。
「じゃ、行こうか。」
ミカの声で残りの四人も立ち上がり、ステージへ向かっていった。
masuquerade
入り口には屈強なボディーガードが二人も立っている豪華客船が港に泊まっている。その船内のある部屋には人が集まり
だしていた。その光景は知らないものが見れば果たしてなんと表現しただろうか。
今はその部屋には人は二人しかいなかった。二人とも女性で一人は長い足を強調するかのようなパンツルックのスーツで
もう一人は何と裸で、しかもその女性の足元に四つんばいになっていた。そこへもう二人女性が入ってきたのである。
「あらフレイアじゃない。・・・あら、また新しい娘?」
女性は部屋に入ってきた金髪を頭の後ろでまとめた女性に声をかけた。ちなみにここでは名前はその本人を表す記号で
しかない。本名か偽名かなどは取るに足らないことである。本人が何者であるかは詮索されない。別に隠さなければならない
ということも無いが、いわなくてはならないという事も無い。不必要なことは自由でかまわない。
フレイアと呼ばれた女性は先に部屋にいた女性より更に背は高く、足は長かった。それは農耕民族と狩猟民族の差かも
しれない。洋服はこちらもスーツだったが、下は脚の付け根までしかないのではないかというくらいの丈のミニスカートを穿いて
いた。
「ハイ、ミス風吹。お久しぶりね。」
「久しぶりと入っても四ヵ月ぶりでしょう?私が参加したのは前々回だから。おそらく貴方の事だから前回も参加したので
しょうけど。四ヵ月で相手が変わっちゃうの?」
「フフ、ええ、前回も参加したわ。でも前回も違うスレイブだったの。」
この集まりは二ヵ月に一回行われるらしかった。
その言葉に風吹は少し苦笑いを浮かべる。
「そんなに相手を変えたんじゃ自分の好きなようにはならないでしょ。」
だがそれにフレイアは笑いながら答えた。
「ノン、自分の思うとおりにならなかったから相手を変えるのよ。スレイブの変わりはいくらでもいるからね。でもこの前のスレ
イブはチャイニーズだったんだけど、すぐに気がふれたわ。やっぱり同じイエローモンキーでもジャパニーズの方がいいわ。
ある程度私の行為にも耐えられる。」
「私もそのイエローモンキーなんだけど。」
風吹が真顔になって言った。
「ああ、そうね。じゃああたしから名誉白人の称号をあげるけど。」
「残念ながら私は日本人でしかないわね。名誉白人の称号を貰って喜ぶゴミも日本にはいるけども、決して全部がそうだとは
限らないわ。」
フレイアは話題を変えようと風吹の横で四つんばいになっている女性に話題を移した。
「風吹のスレイブは確か前回と同じよね。何か変わったかしら?」
「ええ、とりあえず一通りのことは出来るようになったわ。その中でも口技とアナル拡張をメインにしてね。アナルは片手なら
フィストが入るようになったわ。」
「風吹のペースなら上々じゃないかしら。それなら鍛えたというお口を試してみてもいいかしら?」
「ええ、どうぞ。あたしの奴隷なんだから好きなようにやってみて。」
「サンクス。」
そう言うとフレイアは超ミニのスカートをまくし上げ、白のハイレグのショーツの脇からまだ下を向いているにもかかわらず、
並の男の勃起時の時より大きいペニスを引っ張り出した。だがその竿の下の部分のショーツには少しシミがついている。フレ
イアは男性器のみならず女性器も備えていた。いや、女性なのに男性器も備えていると言った方がいいか。両性具有。世間では
フタナリなどと呼ばれている。突然変異でものすごく僅かな確率で生まれてくることもあるのだが、中には生まれてきた普通の
子供に小さい時から生まれてきた時の普通の性別とは逆のホルモンを与えつづけることで意図的にフタナリをつくり、金持ちの
慰み物にしたりするということが行われていた。ただ今ではこの行為は法律で禁止されている。だがやはりいくら法律で禁止され
ようと愛好者が減るわけでもなく、アンダーグラウンドでは今尚その行為が行われていた。ちなみに今この部屋にいる四人は
全てフタナリで、その中で風吹とフレイアと、風吹の奴隷が先天的なフタナリで、フレイアの奴隷は後から後天的に作られた
フタナリであった。
風吹の奴隷は両手をおずおずとフレイアのペニスに伸ばそうとした。だが。
パシィィン!!
「キャアッ!!」
フレイアの平手打ちが風吹の奴隷の頬を襲った。
「風吹、あなたのスレイブはマスターにご奉仕させて頂くのに何も無いのかしら。」
「・・・・・・。」
風吹はその様子を無言で見ている。
「ああ・・・申し訳ありません・・・。どうかわたくしのお口でご主人様のオチンチンをご奉仕させて下さいませ・・・。」
風吹の奴隷は懇願するようにフレイアを見上げる。
「・・・いいわ、好きなようにやってみなさい。」
「はい、ありがとうございます・・・。」
そう言って風吹の奴隷は先ほどフレイアの平手打ちによって中断させられた行為に移ろうとする。両手で軽くフレイアの
ペニスをしごき、口をめいいっぱいにあけ一気に喉の奥まで含もうとする。
「あむ・・・。」
「ふぅ・・・。」
流石にフレイアのペニスは大きく、いくら鍛えられた風吹の奴隷といえども全てを口に含むことが出来ない。だがそれでも
逆にこれだけ大きいフレイアのペニスを含むことが出来るのも珍しいともいえた。
そのあと奴隷は少しずつスロートを始める。まずは音は立てずに静かに動かすのだが、そのうちスロートが少しずつ
早くなっていく。それに従って音もジュポッジュポッという音が漏れ始めた。
風吹の奴隷は更にディープスロートを激しくしていく。フレイアのペニスが奴隷の喉の奥にあたって外からもペニスで
盛り上がる喉が見て分かるくらいに深く含んでいった。
「ふぅ・・・んんっ・・・。成る程、風吹が言うだけの事はあるわね。確かに私のをここまで咥える事が出来るスレイブは珍しいわ。」
「ええ、ありがとう。」
風吹は顔色一つ変えず表情もそのままに腕を組んだままフレイアに言う。
次に奴隷はフレイアのペニスの亀頭の裏の部分を攻め始めた。
舌の先でチロチロと舐めてみたり、唇で吸ってみたりする。フレイアの大きい、引っかかりのよさそうなカリの部分までだけ咥えて
動きの速いスロートを加える。
「ふふ、なかなかいいわよ。ねえ美鈴、ちゃんと見ておくのよ。あなたはまだ完全にイク気のない私をいかせたことが無いんだから
風吹のスレイブのブロウジョブをよーく見ておくのよ。」
ブロウジョブとは英語でフェラチオのことである。
「はい、マスター・・・。」
風吹の奴隷とフレイアの行為を風吹の後ろから見ていたフレイアの奴隷が答える。格好はこちらも全裸だったが、乳首と
クリトリスに金具による留め具がついていた。
「でも・・・やっぱりお口が上手だからね。私からご褒美をあげるわ。」
「あむ・・・。」
そのご褒美というものは風吹の奴隷には察しがついた。いや、この部屋で分からなかったものはいなかったであろう。
「いい、全部飲み込むのよ。一滴でもこぼしたら風吹のスレイブといえどもお仕置きをあげるからね。」
「あむぅ・・・はい、分かりました・・・。」
そう言うとまた奴隷はディープスロートを始めた。
ジュポッジュポッという音が更に大きくなり、部屋中に響き渡る。フレイアとしてはご褒美としてザーメンを出してあげるだけ
なので、まだ落ち着いた顔をしている。
だがその表情とは裏腹にフレイアのペニスは先走り汁を多く溢れさせ、更に硬度も増してきていた。
「フフ、イクわよ・・・。」
「はむぅぅ・・・んんんん・・・。」
奴隷はラストスパートをかける。
「イクわよ・・・。・・・ふぅぅぅぅ・・・んんっ・・・・・・、・・・くっ、いくっ!!」
「あむぅぅぅぅんんっ!!!!」
フレイアが出した量は風吹の奴隷が考えていたよりもはるかに多くの量であった。だが風吹に鍛えられた奴隷はその量を何とか
ではあったが、全て口の中にとどめておいた。そして少しずつ飲み込んでいく。
「うふふ、凄い量が出ちゃったわ。でもそれなのに風吹のスレイブはちゃんとしつけられているわね。美鈴にも見習わせたいわ。」
そう言うとフレイアはペニスをショーツの中にしまい、スカートを元に戻してから風吹に、
「じゃあ、また会場で会いましょう。それじゃあね。」
と言って手を振りながら美鈴を連れて部屋を出て行った。
(ふん、物事の機微も分からないヤンキーが・・・。あなたのやり方では一生かかっても最高の奴隷なんか作れっこないわね。せいぜい
ご主人様ごっこでも楽しんでおくのがお似合いだわ・・・。)
風吹にはフレイアのやり方が何となく好きにはなれなかった。そしてそれ以上に有色人種を見下したその態度が気に入らなかった。